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2012
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いまだ下山せず
いまだ下山せず
泉康子
遭難ドキュメンタリー。
最近はアルピニズムの真髄に迫る本ばかり読んでいたが、その裏方の世界も少しばかり見てみたくなったので、ちょっと寄り道気分で読んでみた。
山に消えた仲間達の足跡を追う遭難救助にスポットを当てたノンフィクション。著者も同じ山岳仲間として遭難救助に携わっているため、一人称で書かれたリアルな活字はなかなか読み応えのあるモノだった。
しかしこの本。っていうか、この手の本はどれもそう。話自体はそれほど難しくはないのだが、とにかくマニアックな地名と地形を覚えるのが大変で、頭がスムーズに回らない。推理的な要素を多く含んだ作品だったので、推理しながら、考えながら読み進めていくのが本当の楽しみ方であり、むしろそうすべき作品だったのかもしれないが、いかんせん地名が頭に収まり切らないので、にっちもさっちもいかなかった。
最初は地名が出るたびに記載された地図を見返しながら一生懸命話を追っていたが、1時間ほどでギブアップ。・・・ってなわけで、そこから広がる大小様々な展開も若干後付け的な感覚で伝わる事が多く、読み切った後も格別な感情は湧いて来なかった。
完全なる無知だった遭難救助の裏側を少しでも知ることが出来たのは勉強になったし、話の内容としても面白いものだったが、この本の持つポテンシャルを存分に汲み取る事が出来なかった私の読解力に、☆2つであります。
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2012/02/18 (Sat.) 読み物